◆2005/1/15 Hard Again のライブ録音マスタリングに関する覚書

DATE: 1月21日(金)10時28分33秒
TITLE: あの〜
NAME: Gen

私は、HAの分しか聴いてないんですが、気になる点が・・・。
* アコギの音が全体的にこもっている。
* ゴダンの音が前に出てきていない。
これって、私がもらったものが、まだ編集途中のものならしょうがないんですけど、
どうなんでしょうか?
アコギに関しては、当日の出音そのものがこもった感じのようだったんで、
直しようがないかもしれないですが、ゴダンはどんな感じで聞こえてたんだろか?
それとも単純に、わたしのエレキの音が大きかっただけか?
私のもらった音源どおりに聞こえてたとしたら、まずかった気がするなぁ〜。

DATE: 1月21日(金)11時09分16秒
TITLE: 五段
NAME: キツネ

こんにちは!
今、爺Zさんのマスタリングした「Honky tonk」を聴いてみたのですが、
ゴダン小さいですか?僕の環境だと充分に音圧を感じます。
演奏者として「もっと前に出てほしい」ということでしたら、
やはり出音そのもののバランスを追求する必要があるのかも知れませんね。

基本的にはどすこいさんのセットした天井マイクの収録音は
会場のお客さんに聴こえていた音をかなり正確に記録していると思います。
アコギの音は、あれは「馬のPAの音」ですね〜。
ステージ前の録音用マイクにもモニターの音が沢山入ってしまったので、
やはり馬の音になってしまいました。
でも生音もちょっと拾っているので、天井エアオンリーよりはクリアにミックスできるでしょう。
マルチ素材を使った爺Zさんのミックスに期待してて下さ〜い。


DATE: 1月21日(金)11時28分19秒
TITLE: ライブろくおん
NAME: どすこい

あくまで私見でありますが...

Genちゃんの意見にはライブ録音に対する深〜い示唆を含んでいると思います。
まず録音の音はだいたい正確に会場での空気の振動を捉えていると考えて良いでしょう。
しかし、これは単に空気の振動を記録しているということに過ぎず、反省テープとしてはそれで良いのですが、ライブ録音「作品」としてはそれだけでは不十分なのです。

会場で生で演奏を聴く場合には聴き手は演奏者に注目します。
その結果注目している演奏者が出している音に注目..というか聞き耳を立てるのですが、その時にヒトの耳は沢山の音成分の中から自分が聞きたい音を選択するという超能力を発揮しているのです。
カクテルパーティー効果(ざわついたカクテルパーティー会場の中でも特定の相手の会話だけ聞き取れる)なんて言い方をしたりします。
更に会場の雰囲気から受ける心理的影響や空気の振動を耳ではなく体の他の部位で直接体感している影響なんかも有ります。
目の前で演奏者が立体的に動いているという映像的な影響も大きいです。

録音はライブ空間の中から音情報だけを切り取って記録したものに過ぎません。
だからただ単にをれを聴いただけで受ける印象は当日のライブで受けた印象とは乖離が有るはずなのです。
その乖離を埋めて録音素材を「記録」から「作品」にする..それは、そのライブの雰囲気を伝えるために意図的に素材を加工するという作業なのですが、ライブ「作品」にはそういう作業が必須になると思っています。
録る立場としてはライブの雰囲気成分を記録に残す最大限の努力をするってことですね。

そんなわけで「お客がどう聴いたか」と「録音がどうきこえるか」の間にはどうしても距離が有り、その距離を埋めるためには録音を聞く人の経験値が必要です。
「録音ではこうきこえるけどこれなら当日の会場ではこんな印象だっただろう」と推測できる力ですね。

それで、アコギの音ですがやっぱし録音だけヘッドホンで聴いたのと当日の印象は違います。それはつまり、「クールなレコーディングエンジニア」としてではなく「HAのライブ見に来たおっちゃん」として聴いてたってことですね(笑
それとゴダンの音がもっと前に出た方が良いかどうか..は演奏者が決めることなのでコメントはご容赦を〜


DATE: 1月21日(金)13時58分50秒
TITLE: 爺Zミックス
NAME: 爺Z15851-78-7

アコギの音はまさに馬の音ってことだと僕も思います。

五段ですが、音量というよりHAとしてはもっと生音に近い感じ、弦鳴りとかアコベの高音成分のようなところがもっと出た方がよいと思います。アンプのせいもあったと思いますが、僕自身まだステージ上で普通のエレキベースの出音の感覚が抜けきれていないし、ミックス上でもそれをカバーするいいポイントが見つかりませんでした。Memologに書いたのはその辺の事情でして、演奏面も含めてまだ良くなる。まあエレキの音があまりに高音に寄ってるってのもさらに中抜け感を助長してると思いますが、その辺は本人の好みの問題もあるからね。

後、これが素人ミックスの悲しさだと思うけど、ちゃんとしたオーディオで聴くと問題ないのに、Hi-Fiをターゲットにしてない再生機だとがたがたがたがたがた〜っとバランス崩れたりするのよね。その辺の影響はないかな?
まあ、出音のバランス的にいうと、エレキHAはまだまだ問題山積ですわ。

ライブ録音の場合、その場で聴いてる人は生の音圧と様々なカエりの中で聴いているわけで、エアの録音素材はそのギャップがめちゃめちゃ大きくなりますんで、落ち着いて聴ける音源にするためにはそこを、まあ、ごまかしてやらなきゃならない。きれいにごまかすと今度は音源から遠い感覚になってしまって、その辺が難しいです。マルチ素材を一緒に使えば各音をある程度立たせることはできるんだけどね。

で、キックとベースですが、エアー素材であっても基本的にやってることはマルチの場合といっしょで、それを、お互いが喧嘩しないように2chに対してまとめてやってるだけ。基本処理は、超低域をカットするためのハイパスを適切にかけて、各楽器が輝く周波数ポイントを上げて、邪魔なポイントを下げる、でファイナルリミッター、ですね。だいたいライブを録音するとベースとキックがやたらブーミーに聴こえるので、そのポイントを下げて、キックとベースのそれぞれのポイントを上げる。その周波数帯域とブースト料はそれぞれの素材で変わります。

まあ、キック、ベースともに90Hz〜110Hzを下げてキック80Hz+2db、ベース800Hz+2dbとか、決めてしまえば、どのバンドでも似たような雰囲気で、リミッタもかければそこそこ上手く聴こえるようになっちゃいますけど、それじゃあまりにもね(笑)ドラムに関して言うと今回は店長と、TMの彼との個性がかなり違ったので、両方の違いが出つつ全体聴きやすくってのが、一つの課題だったかなと思います。

ボーカルギターキーボードに関してはエアーだとみんなぐちゃぐちゃに混じってるから喧嘩しちゃうのね、ほとんどあまりいじれません(泣)