うなけん隊員報告                    

注意:うな研隊レポートに記載されている内容は、あくまでも個々のうな研隊隊員の嗜好、
   主観に基づいて記した感想であり、絶対的な評価(食べ物に対して絶対的評価という
   のは存在しないとは思いますが)では無い点をご承知ください。
   従ってどなたが食べても同じ評価となるとは限りません。
   また、記載されている価格やメニューは調査時点のものですのでその点もご承知いた
   だいた上で以下のレポートをお楽しみください。


2004年8月28日 南千住 尾花(NAO隊長)
ゆく夏の名残を惜しむが如く、夏バテした体をかの魚の滋養を以ってして癒すが如く。
15時過ぎという時刻にも関わらずごったがえす店内。霧雨のそぼ降る南千住駅から徒歩5分ほど。やってまいりました尾花に。あの尾花にっ。はーはー。

二徹明けでサイケな体調ながら、気合を入れて出動。まずは出動前に前回の爺Z隊員のレポを下読み。ふむふむなるほど〜。しかしながらプリントアウトした地図を玄関に置き忘れ、お金も下ろし忘れ、日用品の入ったポーチを駅のトイレに置き忘れ、ポーチを取りに戻ったら電車に乗り遅れ、と、遺憾ながら出足から失態続き・・・。もも、申し訳ありませんでした・・・。何があっても睡眠は大事なのであります。

さて。
都内随一と名高い尾花ですが、どんな見目麗しい諸説や事前情報があろうとも、食いしん坊は自分の舌で味わうまで、出会いを新鮮に味わいたいものです。出会い頭この暖簾の風情!まずは直感で一安心。
待ち時間はほぼゼロ、おかげさまでナイスタイミングで入店できました。

しっかり漬かったお漬物


店内はお座敷オンリー。靴を預けて席へ案内されます。混んでます。賑わってます。もちろん人のことは言えませんが、「みなさんそんなに鰻が好きなんスか。」と1テーブルずつインタビューしたくなるような光景。この時間帯に、これくらいの予算で、このテンションで。見通しよい奥の板場もアツイが、お客もアツイ。

うざく接写。
「うざく」の語源は「う」なぎと「ざく」っと切ったきゅうりの酢の物、という説がありますが、こちらのは「ざく」っとは切っておらず、所謂「きゅうりもみ」です。そして菊の花を冠してます。三杯酢がほんのりちょうどよい甘さ。鰻巻きにも言えることですが、.0こんなに盛大に使っていいのだらうかというくらいどっしりした鰻の存在感。美味しいっ。

「こんな鰻巻きは初めてだ!」と感嘆の声があがりました。卵は薄味で甘くなく、ふんわりと絶妙な食感。巻かれた鰻は、出汁巻きの中に一筋申し訳程度に入っているのではなく、がっつり「鰻なんだよね。」と、その存在を堂々とまぶしいくらいに主張。双方の食材が食べ応えあり、強さ同士が品良くタッグを組んでいました。
 

いよいよ白焼き登場。 肉厚〜。確かに山葵は擂ったばかりの生山葵ではなく、さらっとした控え目な山葵です。 全品美味しかったのですが、なんと言ってもこれが今回一番印象に残った一品。ほどよく脂は乗っているのですが胃に重い脂ではなく、生臭くはないのに「魚―!」と全身で訴えています。このレポを書いている今でも、あの味が心地よく蘇ってくるような、思い出深い一品。懐かしくなったら、また会いに来るからね・・・。と、なんとも名残惜しい、後引く白焼き。

さて 真打 蒲焼です。これも接写。
今回、お重ではなくご飯を別で頼んで、白焼きと蒲焼をおかずとして取り分けて、タレをつけながらいただきました。
魚らしい味だなぁ・・・。なんとも、「華のある」蒲焼でありました。四階の幕見席から観ても、思わず一声かけたくなるような色を放っていると言うか。って、どないやねん。
やわらかさもちょうどよく、お箸にしっかり載る感じ。臭みはないのですが、味も香りも食感も、程よい野趣を残しています。

タレについて「こっちは鰻巻きのタレ、こっちは蒲焼のタレですから、間違えないで下さい」と仲居さんにご指導を賜りつつ。確かにそれぞれタレの味わいが違います。
この蒲焼のタレは、「さらっと」系で、これまたとっても好みでありました。たまーに「とろーり」系が食べたくなる時もありますが、基本はこのくらいが鰻自身の脂と相俟ってベストなのではないかと思う今日この頃です。今度はご飯への滲み具合も堪能すべく、鰻重でいただいてみよう。ああ美味しかった・・・。
今回は、件の「中串」「大串」、残念ながらどのテーブルでも見かけられず。噂通り値段表記は「時価」であります。恐ろしき哉「時価」。一体いくらするんだ。しかしながらいつかご相伴に預かりたい憧れの一品なのです。
鰻の旬は意外にも「土用の丑の日」あたりよりも、秋口が食べごろとのこと。ちょうど良い時期に、いい出会いを堪能させていただきました。ご馳走様でした!

※鰻研究隊秘密基地編集部営繕課より特別付録
 鰻に歓喜する隊員達と気合いの入った座敷風景です
  
2004年8月9日 天竜 やっこ(どすこい隊員)
馬橋に有るライブハウスオリンズの店長から推薦されていた店で、以前から一度行ってみたいと思っていたのがこの天竜市に有るやっこという店。
二俣川と平行して走る通り沿いに有り、店先で炭火で焼かれるうなぎから立ち上る煙は全くの遠慮無しに通りに香ばしい香りを振りまいていた。
この通りはおそらく天竜市の古くからの中心通りなのであろう。面する店もどことなく昭和の面影を感じるものばかり。
その中でも特に昭和の佇まいを強く残すのが昭和一桁のこの店である。
入り口左側に通りに面して焼き場が有り、白タイル貼りの作りや木製の窓枠のデザインがまた郷愁を誘う
午後1時頃、暖簾をくぐると店内は半分程の席が埋まっていた。月曜日平日のためだろうか、殆どが地元の人のようである。
店内はさらに歴史を感じさせる風格が漂い、私以上の年代の人には懐かしさひとしおであろう。デコラ張りのテーブルに、つい最近までは黄緑色のドーナツ型のパイプ椅子だったようだ。タイル貼りも漆喰壁も調理場との木製窓枠のカウンターも、どれもが昔見覚えのある風景で、まるで昭和30年頃にタイムスリップしたかのようだ。
そういったシーンと店内に溢れるうなぎの香りがとても良くマッチしている。隅っこの席では金田一さんがうな丼を掻き込んでいても全く違和感が無さそうだ。
適当な席に着くと、これまた昭和一桁(あるいはそれ以前?)な感じのおばちゃんが注文を取りに来る。
メニューは極めてシンプルだからお品書きを見る必要も無い。うな重とキモ吸を注文する。
ここのうなぎは蒸さないで直接焼く調理方法であり、昼時ならば常時焼いているから注文してからそれ程待つ必要は無い。
蒸さないので関東で良く口にするあのトロトロっとした食感は無く、しっかりとした歯ごたえと、噛むと口いっぱいに広がる香ばしい焼きの香りを楽しむ
焼きは少々強めで、炭火がきっちり中まで通り、焦げ目が非常に良い香り。
一緒に行った次男も香ばしさがすばらしく旨かったと言っていた。
タレはさすがに歴史の有るものらしく、コクが有ってしかし決して諄くは無く、ごはんとも良くマッチしていた。
この店では「うなぎ」と「懐かしさ」が味わえる。
今回川根路から国道362号を使って山を越えて天竜へ行ったが、運転に自信が無いならばそれは止めた方が良い。そうでなければそれもまた「郷愁」を感じながらの旅になり、一興だろう。
ただし、深い山の中を舗装こそされているが、道幅の狭い強烈に曲がりくねった見通しの効かない道で対向車とのすれ違いには非常に苦労する、そのような状況が延々と50キロ位続くことを覚悟してほしい。冬場、積雪のある場合は止めておいた方が良いだろう。
しかし、そうやって辿り着いた天竜やっこのうなぎの味は最高であることは確かだ。
2004年1月2日 小俣 かわこう(どすこい隊員)
最初に小俣という町がどこにあるのかを断っておかなければならないと思う。
三重県は伊勢神宮で有名な伊勢市、この伊勢市の北辺を左から右へ、西から東へ流れる宮川という川が有る。この宮川は日本一水質の良い川とされたことも有り、河口からほんの数キロである我が家の近くでも透き通っていて川底が綺麗に見える。この宮川を隔てた北側が三重県度会郡小俣町だ。
ユニチカの工場は今ではすっかり寂れてしまったが、戦後繊維産業が良かった時期には駅前も賑わっていた。この小俣町には何故かうなぎを喰わせる店、しかもうなぎ専門店が多い。
うなぎの旨さ、特に蒲焼きの旨さというのは素材の鰻や蒸し、焼き等の加工によるところも有るのだろうが、タレの旨さもかなり大きな要素であると思っている。
何故ならば、三重県では自分の好みに合わないかなり甘めのタレの蒲焼きにガッカリする場面が多かったから特にそう思うのかもしれない。
他店で、タレを作っていた人が亡くなってから蒲焼きそのものがそれ程に旨く感じられなくなったという例も有る。
この辺りでは鰻屋で鰻を食うだけでなく、買い物前に注文して焼いて貰い、帰りに受け取って帰るというような需要もかなり有る。
今回もそのようにして注文してみた。どの程度時間がかかるか聴いてみると10分程度だというからその場で割いて蒸して焼く訳では無いと思う。尤もこの辺りでは蒸すという工程を経ないが、それにしても10分であるから割き置きだと思う。
ちょいとコゲ目が香ばしい焼きは自分の好みで、タレも甘くなくて旨かった。
正月2日に普通に営業しているのも驚異的だ。
実は街道市へも行ってみたが、おじさんは居たんだけど営業はしていなかった。残念。
2003年12月5日 柴又 川千屋(爺隊員)
ここのところ関東の鰻屋でも櫃まぶしを扱うところがちらほらと出てきたのは知っていた。最終的には蓬莱軒に代表される名古屋の櫃まぶしを食ってみなければ、はっきりしたことは言えないとはいうものの、どこか適当なところがあれば、関東でも食してみようと思っていた矢先、この店で櫃まぶしを始めたとのこと。
柴又も鰻屋は多いし、なんといっても子供の頃帝釈天には通いつけたのだから、帝釈天再訪の誘惑にも抗しきれず、出かけることにした。

なんだこの店だったのか〜!ってのが最初の印象。帝釈天の参道の左側に一見前に水槽を置いている店があって、前を通る時、子供心になんか凄いなぁといつも思っていたのが川千屋その店でした。



懐かしさも倍増したところで、入店し、うざく、肝焼き、鰻重、お目当ての櫃まぶしを注文(二人分だかんね…)。ですが、鰻重など通常メニューははっきりいって書くことは何もない、少なくとも僕の口にはまったく合わないものでしたので、省略します。で、櫃まぶし。

量が多い!まあ、お椀に3杯もよそえるのですから、量が多いのはわかっているんですが、やはり実際に目の前に置かれるとかなりたじろぎます。
さて、実は僕は櫃まぶしはこれがはじめてで、食べたことがあるのは、某店の石焼き櫃まぶしと、浜松八百徳の「お櫃鰻漬け」だけ。名古屋の櫃まぶしを食べたことがないので、以下は「この店」の櫃まぶしに関しての感想だということをまずいっておきますが…。

蒸さずに焼いた蒲焼きを細かく切ってご飯と混ぜているのですが、はっきりいって関東風の蒲焼きに慣れた舌には相当つらい食べ物ではないかと思います。
量が多い上に、蒸さない蒲焼きはしつこい。それでも鰻重や丼なら食べ終わる迄余熱が残ってまだ救われるところがあると思いますが、この形にしてしまうとどうも冷えるのも早いようで、半分ぐらい食べたら箸を進めるのがつらくなってきました。
ここで、熱い出し汁をかけてさらさらっと…、といけばいいのですが、一緒に持ってきておいておく急須に入ってる出し汁はすでにかなり冷めてしまっております。これではさらさらとはなりません。

両方食べたことのある人はみんなそう思うでしょうが、お櫃鰻漬けとはまったく違う料理でした。果たして、「櫃まぶし」は「櫃まぶし」で、僕の口に合うものがあるのかどうかの判断は、今後さらに探検を重ねてからくだしたいと思いますが、今回に関しては、かなりつらかったと言わざるを得ません。

しかし、創業250年の老舗の謳い文句で、店も大きいですが、(まあ当たり前ですけど)それだけで期待するのは危険だなとあらためて思った一日でした。普通の関東風鰻重にしても、もっときちんと食べさせるところがあると思います。
そういう店をどんどん紹介して鰻好きを増やしたいですな。
2003年11月29日 南千住 尾花(爺隊員)


行ってきました雨の中、鰻好き間で話題になることが多い「尾花」でやんす。
今回は、ちと能書きが多くなるかも知れないが、あくまでお店の責任ではないと 思われますので、五月蝿いと思われる方は読み飛ばしてください。
能書きに類する段落には★を付けときます。


★さて「尾花」。Googleで検索するだけでも、いろんな人の感想がごそっと出てきます。絶賛されてるなあ。
鰻に限らないのだけど「○○○といったら ●●●しか…」というような、はっきりした考えを表明したがる人が有り難がる存在というのがあるようで、そういう存在は、僕のようなあらゆる「これしか ない」に反発する性質の人には敬遠されがち。
たとえば、蕎麦だと神田薮蕎麦とか、先入観なしに入ればそれなりに満足できるのに、事前にその手の一夫一婦 制一穴主義的好評価を吹き込まれたせいで、逆切れに近いような食後感を持って帰ってきたりする。
まあ、そういう人が吸い寄せられるようなオーラは、お店 も狙っているのか、まったく感知しないのかは不明だが、オンライン、オフラインでの評価を聴いていると「尾花」もそれに類する店な匂いがぷんぷん。
とは いえ、たまたま見つけて入るとき以外は、どんな場合でも多かれ少なかれ他人の評価を聞いていることになるから、おいしいものをおいしくいただくには、老 獪さも必要かなと思うわけで。情報を遮断してしまうのは一番損だしね。

というわけで、こころなしか構えて出かけたかも知れないのだが(笑)、雨の土曜日の3時を回った頃なのが良かったか、隣の100円パーキングも空きが有 り、お座敷の先客は思わず関係を詮索したくなるような中年と若い女性の二人連れ(まあ、職場の知り合い同士中年の頭にはもしかしたらな下心ってところだ ろうかな、お互いをよく知ってる風でもなかったし、女性にも自腹で\5〜6,000のメシを食いたがるような雰囲気はなかったし…、ま、余計なお世話 か、つーかこういう詮索は書いてる本人の人格に一番関わるんだけど。
まあ下心にもいろんな方面のがあるでしょうからってことで勘弁願おう)の一組だけ。
その隣に案内されて着席、一番安い\2,300の鰻重と肝吸い二人前、白焼き、うざく、それと待ち時間を考えて漬け物を各一人前ずつ注文。
う巻きも頼も うかと思ったが鰻重がどの程度のボリュームかわからないので今回はパス。注文して数分で漬け物とうざくが揃いました。

うざくはざっくり切った鰻の酢の物で、おいしい!皮がぱりっとなるくらいの蒲焼きの尻尾に近い肉の薄い部分を使っていて、しっかりさっぱりの味です。
店 内を見渡すと畳の上に並んだ店内、ガラス張りになっていて客席から見渡せる板場、窓から見える庭にあるお稲荷さんと、いかにもな雰囲気だなと思っている と隣の二人連れに白焼きと鰻重が運ばれてきた。
あれ、白焼きは先に来るんじゃないのか?しまった、う巻きも頼めば良かったか…。

★隣の二人連れの会話がいやでも聞こえてくる。聞くとはなしに聞いていると女性のほうが「鰻ってこんなにおいしかったんですかぁ!」だの「こんな鰻食べ たことないですぅ!」だの、宣いながら白焼きをつついております。
きっと、事前にそうとう吹き込まれてきてるんだろうなぁ…。まあ、いいんだけど、食い 物に関して絶対的な評価をためらいなくできるってどういうことなんだろうなあ。
「尾花」に関しては、「都内では一番うまい」だの、果ては「世界一うまい 鰻を食わせる店」なんて書いてる人もいたし。思わずサンプル数はいくつじゃいって突っ込み入れたくなるんだけど…。
そらおいしいものはおいしいでしょ う。
でもね。鰻にしたって、現代の日本人は串焼きくらいしか馴染みがないけど調べてみると他国ではまた全然違う食べ方してるところもあるようだし、蒲焼 きに限ったっていろんな味があって当然、おいしいと感じるある閾値をクリアしてれば、どれもみなおいしいんで、文字通り甲乙つけがたいってもんじゃない のかなぁ。

なんて、思ってるうちに、客も増えてきた。待つこと40分弱で白焼き、数分後に、鰻重、肝吸いが到着しました。

白焼きってほんとにうまいね〜。
まだあまりたくさん食したわけではないので、ここのが特別どうってのは控えるが、比較的肉厚で、穴子のような、とまでは いかないがちょうどいい、ふっくらした白焼きです。
白焼きを食うようになってから、もともと好きだった山葵がさらに好きになり、鰻と同じくらい山葵が気 になるのだが、ここの山葵はちょっと不思議な食感と味である。
辛くて、すりおろしのような風味はない山葵だが何か混ぜてあるのかな?
ちょっと癖になりそ うな味です。
ただ、Web上で「500円値上げしてもいいからもっといい山葵使ってくれ」って書いてる人がいましたが、その意見もうなづけますな。
変に 工夫しなくても、いい山葵をちゃんとすってつけるだけでいいですよね。

鰻重と肝吸い。
蒲焼きのタレは比較的薄味で量もほどほど、鰻は柔らかいけれど柔らかすぎない、小骨を丹念に抜いていたりしてはいないけどイガイガしな い、串の穴やこげ目も適度に残っていて見た目にも非常にうまそうです。
蒲焼きとしてはかなりさっぱりした味で、臭みもないのですが、なんというか白焼き を食べるとよくわかる鰻の油というかカルシウム臭というか、それがいい感じで口の中に残ります。おいしいですね。
こういう味の場合鰻本体、タレ、焼き 方、ご飯とそれぞれがきっちりおいしくできていないと、ツライ部分が目立ってしまうってことがあるのだけど、僕が食べたのはご飯がちょっと柔らかすぎ だったのが残念だった。
それと、鰻重についてくる漬け物は若干不釣り合いでした。もうちょっと気を使ってもらってもいいかな。
でも別注の漬け物はおいし かったので、別に頼めばいいと思います。
後から来た4人連れはご飯ものでなくて、飲みながら白焼きや「時価」となってる「中串」「大串」をつついていたが、隣からみて思わず絶句!蒲焼きなんだ けどでかいだけじゃなくて、肉厚。いや、肉厚なんてもんじゃない、なにしろ断面がちゃんと長方形に見える(笑)あれは凄い。
というか、もしかするとここ のウリってああいう蒲焼きや、白焼き、うざく、う巻きなどのご飯がつかない料理なんじゃなかろうか?
鰻重のタレもさっぱり薄味で鰻にはいいんだけれど、 タレはご飯のためでもあるわけで、ご飯にはちょっと薄味な気がしますし。
しかしあれは二人で頼んでも絶対食いきれない…、が、次回は、メシを食いにいく のでなくて、鰻を食いにいくつもりで、ぜひ中串あたりをメインにしたコースを組んでみたいです(同志求む!)。

以上、能書きたれながらもおいしくいただいて帰ってきました。うざく、白焼き、漬け物、各一人前、一番安い鰻重と肝吸い二人前で一万円で少ーしおつりが きました。世間での評価のされ方には反発を覚えますが、うまい鰻屋の一件であることは間違いありませんね。
蒲焼き関係は、最初に全部注文しなくてはならず、後から追加は聞きません(捌きの兼ね合いらしい)のでご注意を。
2003年10月12日 柏 大和田(爺隊員)


近在の鰻はだいたい食し、少し都内方面へ足を伸ばしてみたらまた違った鰻が食えるのでは、と思っていた折、馬橋OLINZにて、某隊員のライブがあったので、これ幸いと会場周辺の鰻屋を検索する。 興味を惹かれたのは、天王台の「小暮や」と、ここ柏の「大和田」。大和田に決めたのは、HPなどで見てみると、蒲焼き、白焼き、うまき、うざく、その他各種料理がまとめて食える定食があった故。うまきもうざくも食ったことはおろか見たこともないので、入門編のつもりででかけた。柏駅に近い6号沿いにあり、よく前は通っているのだがいってみて初めて分かった。最近隣の2階から移転したらしく、奇麗な店である(ちょっと鰻屋のイメージから遠いかも…)。

(カメラを忘れて携帯のカメラで撮りました。はっきりしなくてすんません…) 鰻重は、普通のと「大串」と呼ぶお高めのもの(鰻がでかいのだろう)、重ね重の3種類。二人だったので、普通の鰻重\1,500と大和田定食を一人前ずつ頼む。大和田定食は、蒲焼きと白焼きが一切れずつ、前菜として、肝わさ、肝焼き、うまき、サラダとしてうざくが付いて\2,800というオトク感あるもの。HPによると坂東太郎を備長炭で焼くってことで、浅草の前川あたりだと坂東太郎ってだけで結構値段が上乗せされた気がするんで、さらにオトクかも。 鰻重と、定食の鰻は注文してからあがるまで25分くらい。以前の紹介では鰻は注文してから裂き、あがるまで40分と書いてあるものもあったが、開店直後だったからか、下ごしらえありの雰囲気。定食の前菜、サラダは先に来るのでこれをつつきながら待つ。

(肝焼き、うまき、肝わさの前菜とうざく) さて前菜だが、肝焼き以外は初めて食したが、肝わさがいける!もちろんこれならビールが欲しいところ。うまきは、卵の強くて中の鰻がもったいない気もちょっとしたが、全体にさっぱり食べさせる方向を目指しているようなので、うまき自体が元来そういう味ってわけでもないかも。さっぱりというのは本当で、肝焼きでさえ、まったく臭みがなくおいしくいただける。蒲焼きへの期待がつのるころ、重とメインが到着。 写真はとらなかったが、見た目も味も丁寧で上品というのが一番の感想。蒲焼きも白焼きもほとんど焦げ目もなく形はくずれてないし、タレも控えめな味で適度な量。テーブルにはタレが置いてあるので足したい人は足してもいいかもしれない。白焼きのわさびはすり卸したわさびの食感だが香りはあれどあまりからくなく、わさびだけぱくぱく食べたくなる味。 で、うなぎ本体の味だが、蒲焼きも白焼きもホクホク感が適度でしかもさっぱりしているので、人によっては「これが鰻?」と思ってしまうかも。しかし一通り食べるとちゃんと鰻を食ったという感じがしっかり残り満足できる、憎い味である。ただ、これがちょうどいいのは僕がジジイだからかも知れず、若い人は大串あるいは重ねにしてください。 全体としては、つくば近辺の素朴なうまさの鰻を食べつけてる僕には、こんな鰻もあるのか!という強い印象を受けました。人によっては全然物足りないかも知れないが、しっかり料理されてておいしいことは間違いありません。おそらく、また食べたくなると思われます。
2003年9月1日 つくば 村山(爺隊員)

ここも地元では有名店である。
Gen隊員の白焼きがうまい!のかけ声にのせられ、それなら嫁さんに運転させて夜出かけていき、ゆっくりビールでも飲みながら…と思ったのだが、結局昼飯とあいなりビールはお預け。
しかし、白焼きとなぜか焼き鳥がうまいという噂があったので、今回は肝焼きはやめて焼き鳥、さらに並鰻重を注文。値段は忘れたが、松乃屋とどっこいだったと思う。

25分くらいで鰻重はあがってきたのだが、その前に白焼き。僕も食するのは初めてだったがこれはウマい!
さっばりしてるんだが、身の奥の方にほのかな油の香りがあって、ハシがすすんでしまう。
白焼きにも並、上、特上があり、僕らが頼んだのは並だったが、後日談によると、上にすればさらにいいかもという意見もあったが、爺的にはちょうどよい感じであった。
どうも爺隊員の場合、高い鰻の太くて脂ののったのよりは、若干スリムなことが多い並な鰻のほうが口に合うようだ。経済的に出来ている。
それはともかく、白焼き食ってさらに鰻重なんて大丈夫なんだろうかと心配だったが、取り越し苦労でしたとさ。
いっしょに頼んだ焼き鳥、これも期待してたんだが、別に論評するほどでもなかったので省略。

さて、鰻重だが、タレは比較的辛口でさっぱりしてグッド!タレの味はこの辺では一番爺の口に合うのではなかろうか。
鰻も、ちゃんとホクホクしているが決して柔らか過ぎることなく、いい感じの歯ざわり。並でちょっとさっぱりしすぎかな?と思う人もいるかも知れないが、そういう人には黙って上を頼んでもらおう。

だいたい今回でつくば近辺の鰻有名店はだいたい回ったのではないかと思われる。
全体の印象としては、やはり都内等とは違って、おいしいところは店も鰻の味も素朴な良さが出ているところが多いようだ。
うざくとかうまきとか凝ったメニューのあるところはなく、付け合わせもごくごく普通の漬け物とかで済ませてるところが多い。
そういう意味ではコース全体としてはちょっと物足りないのだが、鰻とご飯自体は総じていい感じと思う。
この村山や山中など、田舎情緒のあるお店なら十分おすすめできる。

番外レポ・馬橋編
2003年9月16日 馬橋 三村園(ぱうえる隊員)


松戸馬橋・三村園の前まで行ってきました。 この店は知る人ぞ知る迷店?で、よく行くラーメン屋が近くにあるので気になっては いるのですが、恐くて入った事はありません。いったい何屋なんだろう?


駅前にはこんな川も流れていて、友人と酒を飲みながら詩会などをしたりもしていま す。魚もけっこう泳いでたりします。









そして近くの馬金湖で見つけた、脂の乗った天然鰻2匹。 いったい何人前のうな重ができるのだろうか?











※おりゃぁ、何でこんな写真持ってるんじゃぁ!!
2003年8月 浅草 鰻禅(ぱうえる隊員)


台風一過の暑い日に鰻禅に行ってきました。
浅草に着いてテレすると“今来ても一緒に座れないよ”との事で、某ビール会社の22階で夜景と花火を見ながら一杯。ボチボチ歩きながら店に着くと同時に品切れにて閉店。
えっ?が、入ると同時に“捌いといたよ!”の言葉に、ホッ!


この店は予約は受け付けていませんが、テレして行けば生きてる鰻を残しててもらえるのでその方がいいでしょう。


とりあえずビールを注文したらまず小皿で出てきたのが肝焼きと串に刺さった柿の種位の物、何?と思っていたら、鰻のレバーの串焼き!
今まで牛・豚・鶏他のレバーは食べた事があるけど、こんな形で鰻のレバーを食べる事は無かった。臭みも無く上品な甘味を感じる一品で、同行したレバー嫌いの女性も恐る恐る食べたら美味しいと絶賛!小さい物なので口の中に入れたら直ぐ無くなってしまうけど、日本酒でちびちびやりたい一品でした。

次に卵焼きが出てきて、これまた美味い!ヨード卵のみを使った卵焼きで、鰻に出会うるまでの酒の肴としては十分すぎるぐらいの物です。
お腹が鰻を受け入れる体勢になった所でうな重の登場!もちろん関東風で(大将は江戸前と表現)、白焼き・蒸し・焼きの物です。

口に入れて直ぐ“美味しい”と思ったのですが、それから段々とクリーミーな食感を舌で感じることができました。私好みの臭みも無く、通常の甘めのタレではないやや辛めのタレで柔らかくて、でも箸でしっかり掴める物です。



煮ても焼いても食べれないコハダを、江戸前の寿司職人が食べれるようにした話を思い出してしてしまった。

器が輪島塗の鳳凰で、型で描いた物ではなく手書きの物です。
よく見ると一つ一つ違い、大将の修行時代から現在までを見つめていた器で、いい感じで磨れています。

気さくな大将は話し好きで、鰻に関する話を色々聞けたり、女将さんとのやりとりはまるで夫婦漫才を見ているようで、お腹・心共に満足しました!

下町の常連の方達に愛されてる小さな店だけど、気取らなくて行ける名店。
値段も高くありません。
2003年8月13日 つくば 松乃家(爺隊員)
学園都市ではおそらく一番目立っている店。しょっちゅう前を通っていて、賑わっている感じも知っていたのだが、なんとなく今まで入らずにきた。しかし、とりあえず食ってみないと話にならんので挑戦。
ここは、写真でも分かる通り備長炭の炭焼きが売りで、うな重は並1,600円、上2,100円、特上3,200円。聞いたら大きさや厚さが違うだけで鰻自体は同じとのこと。肝焼きなどはないが、お刺身や鯉がある。並を注文、待つ事45分。これは、多分、客が多かったせいだと思われる。

出てきた鰻は、一言でいうと上品系、よく蒸されていて食感もトロトロって感じ。なんとなく茨城の田舎でなく、東京のそれなりな鰻屋にいるような錯覚を覚える(東京でそんなに鰻を食ってたわけでもないのだが)。某雑誌の今月号に、神楽坂の「たつみ」という店が紹介されていて「つまむと崩れそうなくらい柔らかく蒸した…」とあったが、ちょうどそれに近いのではなかろうか。
これは、人気がでるのはわかるなぁ。でも、僕はもうちょい固めというか、ほくほくした食感が好みだなぁ。と思いながら、食べて行くと、少し覚めたくらいになったら自分の好みにあった食感になってきた。そうか、柔らかすぎるとおもったら待って食えばいいのか!

というわけで、思うに万人向けにおいしい鰻の店、というのが評価でありました 。
2003年8月16日 浜松 曳馬(ひくま)(どすこい隊員)

浜松と言えばうなぎの養殖では知らない人が居ない位に重要なうなぎの地であることは誰もが認めるところであろうと思う。そんな重要な土地を毎年数回通過していながら、今まで一度も「浜松でうなぎを喰う」という経験が無かった。
前回時間帯を誤り食べ損なうという失敗をしていたので今回は早めに家を出発し、浜松へと向かった。
曳馬は建て替えたばかりの綺麗な建物で、店内にはふうわりとうなぎの臭いが漂っていた。きっとこれから歴史を重ねるにつれてその香りは建物に染みつき、やがてその店特有のものになって行くのだろう。
うなぎ丼(並)1200円 うなぎ丼(中)1400円
中にはきも吸が付き、1匹分となるので中がオススメだ。他にも上の重、ジャンボ鰻等が有る。 蓋付きの丼には割とさらっとした飯の上に甘めのタレで焼いた蒲焼きが乗る。
タレを予め飯に掛けることはしていない。牛久で発祥したうなぎ丼に近い形だと思われる。
蒲焼きの仕上げは関東と関西の中間的である点が静岡という地理的な条件を反映しているようで面白い。 例えば谷田川では箸で蒲焼きが切れる程に柔らかく、トロッとした食感であるが、曳馬ではそれ程ではない。
たれの甘さも伊勢でのそれと関東でのそれの丁度中間程度に感じた。
口に含むとうなぎ特有の泥臭さをほんのりと微かに感じる。この風味はうなぎがうなぎであるために欠かせないものであると思うのだが、強すぎると受け入れられない人も多いだろう。あくまでもほんのりと微かにという程度であることが「洗練された蒲焼き」であるために重要なのであろうと思う。
見た目に焦げが確認出来るのではあるが、香ばしいと感じる程ではない点はおそらくタレの味との間に関係が有るのではないかと見ている。
喉が痛むと言い、ここ数日柔らかなものしか食べて居なかった長男が一口食べるなり「おぉっ」と呟いて一気に無言で(喉の痛さも忘れて)食べ尽くしたのであるから、長男にはとても気に入った味であったようだ。

店に到着したのが開店10分前だったのだが、店の奥さんが「よろしかったら中でお待ち下さい」と声を掛けてくださったり、店の前を走る遠州鉄道の写真を撮っていたらわざわざ雨の降る中、出てきて「隣の駅ですれ違うからちょっと待っていればすぐ反対からもう一本来ますよ」と教えて下さったり、ちょっとした優しい気遣いが嬉しかった。 次の機会にはジャンボうなぎにもお目に掛かってみたい。
曳馬はご覧の通り遠州鉄道のすぐ脇に道路を隔てて建っている。
2003年8月12日 静岡のうなぎ屋さん(もも隊員)
桜屋(三島市)
●事前調査では
地元の人間に聞くのが間違いないということで、地元に住む義理の妹に「うなぎのお いしい店」紹介してもらったお店です。 どうやら有名店らしく娘の幼稚園のおともだちのママも行ったことがあるとの事でし た。 しかしそのママいわく「骨がイガイガしてておいしくなかった」と評価はいまいち だった。
●三島広小路駅前
11:40近所の提携パーキングに駐車してお店に向かうと ほんのり鰻のいい香りが...すぐにお店を発見できました。 お店の構えもなかなかで期待させるものがあります。 すでにお客さんは満員でちょっと待つとの事なので先に鰻重を注文しておきました。 客層は年配の方から、二十歳そこそこのカップルまで幅広くちょっと意外です。 そして10分ほどの待ち時間でお店の2階の座敷へ案内されました。
●そして味は
“関東風”鰻の自分のイメージとしては味もうすく油もなくさっぱりしすぎ。 そのせいでご飯もたべきれないという印象だったのですが、 その先入観はひっくりかえりました 味の傾向はたれは甘め、鰻はやわらか 蒸し・焼き具合のバランスは“関東風”のおいしい鰻とはこういうやつのことなんだ と思わせるものでした。(骨が気になるなんて????マジ?) 一口食べて美味かったので好みで山椒はかけませんでした。 鰻嫌いのかみさんも「鰻は泥くさい」というイメージがなくなったとのこと。 これはこのあたりの「水のうまさ」のせいでしょう (HP参照。このあたりの水は水道水でもほんとにうまい)
●独断でのお勧め度:★4つ(5点満点)
鰻重(並?)¥2,200で安くないのですが値段と味のバランスはGood 量も多くよっぽど大食いの方以外はこれで十分だと思います満足度は5つ★ 問題は東京からは気軽に行けないことと 早く行かないと売り切れの可能性と待ち時間があることで 
お勧め度:★4つ
またいきたいなー
〒411-0856 静岡県三島市広小路13-2
 で ん わ:055-975-4520
 ファクス:055-976-5540
 ホームページアドレス http://www.sakura-ya.net
2003年8月12日 伊勢のうなぎ屋その1 (どすこい隊員)
まずは千代幸、これは自分の実家から歩いて1分のところにあるうなぎ屋さんです。

かし、自分の好みではタレの味、うなぎ自体の風味ともに今一つ...

今回は食べてみていませんが、是非とも近々また試してみたいですね。
うなぎ屋さんって味が変わることが有りますからね。
次は街道市。以前から道路端に看板が立っていて気にはなっていたものです。




←この建物の中でオヤジさんが
うなぎを焼いているのですが、
お店はここの隣に有って、こん
な感じです。
      ↓

ここは蒸さずに焼くタイプのようで、炭火では無いようです。
ここのオヤジさんはなかなかのアイデアマンで、うなぎの缶詰を売り出したりしていました。
今回、缶詰めが有るかどうか聞いてみたのですが、非常にコストがかかってしまうため、同じものであれば安く供給出来るレトルトパックに変更したのだと言っていました。
そのパック製品も1人前250円と、なかなかのお手軽な価格です。
このあたりでは蒸して焼くタイプはどうも少数派のようですね。
オヤジさんもパックのうなぎは事前に電子レンジなんかで加熱せずに熱いご飯でサンドイッチにして蒸らして食べた方が「柔らかくなり過ぎないので」旨いよといっていました。
つまり関西系統では「トロッとした柔らかい舌触り」を好まないんでしょうか??

さてと、最後が鰻のにしやま

ここは最近味が変わったと地元では言われている店です。ただし、私自身は以前の味というものを知らないので真偽の程は解りません。
ここも蒸さずに焼くタイプでした。
タレは生醤油等の材料の味が強くて「コクのある味わい感」が薄いのが残念。
蒸さない固めの蒲焼としてはコゲの風味もあってなかなか旨いだけにちょっと残念でした。


ここのうなぎはこーんな感じです。





2003年7月27日 土浦 山中 (爺隊員)

以前、2回ほど入ったが鰻研隊結成を期にもう一度食べて確認しておこうと思っていた店。
土浦市街から霞ヶ浦の岸沿いに出島(今は霞ヶ浦町だっけ…)方面に回った蓮田に囲まれた集落の中にある。
廻りは普通の民家ばかりで、おまけに写真のように母屋をそのまま調理場に使っているので、店というより、近所の法事かなんかにいってご馳走になっているという趣で、これも人気の一因かと思われる。

さて、今回確認したところでは、ここは炭火(置いてある炭を見る限りあまりいい炭ではないが)で、しかも調理場前には「山中の天然うなぎ」と書いた看板も見える。
値段はうな重上1500円、特上2000円だから、重の鰻は天然じゃないんじゃないかと思うが、霞ヶ浦町には鰻(だけじゃないだろうが)問屋も多いと聞いているので、可能性がないわけではないかとも思う。

土用丑の日ってことでメシどきを外してもかなり待つのではと覚悟していたが、10分弱待ったところで着席、注文して20分ほどでできあがり。
以前食った時はちょっと泥臭いかなと思ったが、今回食ってみてそうでないのがわかった。
これは、あまり蒸さない(蒸してはあるんじゃないかと思うが)、固めの蒲焼きで鰻の味が強烈なのだ。
従って、僕の好みとは大分違う、よく言えば素朴で豪快、悪く言えばしつこくてあざとい鰻である。
なんとなく食べながら、漱石の「猫」に出てくる蛇飯の話を思い出す。
こういうのを食うといかにも精がつきそうで、この辺では珍しくもないピーナを連れたお父さんに、思わず「頑張ってるね!」と声をかけたくなってしまう。
まあ、僕はしょっちゅう食べたい味ではないが、これにハマる人がいるというのも十分うなづけると感じた。

で、皮がぱりっと焼けてほのかな甘みがあるところは、炭のアドバンテージかなと思ったけど、多分あんな濃厚な蒲焼きは、炭火じゃなかったらとてもじゃないが食えないだろうと思われる。
天然かどうかは、もちろん僕が食ってもわからない(笑)

錦水では個性がないと書いたが、そういう意味ではここはかなり主張のある方ではないだろうか。
2003年7月22日 土浦 錦水 (爺隊員、Gen隊員 : 文責 爺隊員)

実はこの界隈ではかなり有名で、人によっては土浦で一番の評価を得ているらしい。爺隊員もかれこれ7〜8年前にその噂を耳にしており、一度入ってみたいと思ってはいたが、いままで果たせなかったという店である。

Gen隊員と示し合わせた最初はつくばの別の店に行くはずだったが、どこから聞き付けてきたのか、それなら、と急遽出かけることになり、昼の1時半頃入店。
平日の昼時後なせいか、それほど客はいない。店内は大き過ぎず小さ過ぎず、ごく普通の構えである。うな重1700円と肝焼き、それにもずく酢(なぜか最近よく頼む)を注文し、待つこと15分ほどでできあがってきた。早い…。調理場は見えないところにあるので、どうやってるのかはよくわからない。

さて、味の方だが、まず爺隊員は炭焼きかどうかを意識して鰻を食ったことは実はないので、食べただけでは何で焼いてるのかはわからない(そのうち、これぞ炭焼きよ、ってのを食ってみよう)。が、タレは、この辺では典型的な味で、鰻自体もボリュームがありながら中はふっくら、外は柔らか過ぎず、と、全体にうまくまとめてソツがない、大変よくできました、といったところ。肝焼きはよく焼いてあって爺好み、これも合格。

しかし!おいしく食しておいてこういうことをいうのはなんだが、なんというか「をを、これがこの店の味なのか!」と唸らせるような、個性というか主張に欠ける気がしてしまった。品数もそれほどあるわけではないので、重でこそ「ここに来ないと味わえない」ってところを出してほしい気がする。店もごく普通の構えで、立地条件も六号バイパスのとなりの小高い丘の上で、たとえば、この界隈の他の老舗のように、湖の湖面を眺めながらといったオマケもないのだから、近場の人はいいが、仮にわざわざ遠くからきてここに入ったとしたら、ちょっと興ざめしてしまうのではないだろうか。

土浦という街は元来水と縁が深い土地柄であり、魚貝類の加工の伝統もある。それらを見て育ってきた身としては、美味しいのはもちろんだが、それ以上の何かを感じさせてくれる店が、きっと他にあるはずでは、とつい思ってしまうのだった。
2003年7月17日 亀有 うな辰(ぱうえる隊員)

この店は随分前から気になっていた店で、一年位前にカミさんと行った時は定休日
で、今回やっと辿り着けたのだ。

夕方6時位に店に入ると、老夫婦・若夫婦・3才位の女の子が座敷でくつろいでいて、
「いらっしゃいませ」の掛け声とともに夜の営業スタートという感じ!

店内は右カウンターに4席、左座敷にテーブル二つ(二人で向かい合う程度のテーブ
ル)で、混んだ時に使われると思われる3畳位の座敷が正面にあります。

座敷に座ると、若旦那の“今日は1500円と2000円の二つしかないんですが”の言葉に
1500円とビールを注文。小さな店なので板場も全て見渡せます。
ここは待ち時間を少なくする為か、捌いて白焼きという状態に下ごしらえがしてあ
り、注文してから蒸し15分・焼き5分・盛り付け2分てな感じでした。

残念な事に炭焼きではなかったのですが、通常の甘めのタレではなく、やや辛めの
タレで、鰻が苦手なシャーク氏が食べても鰻が好きになる様な味ではないと思われま
す。が、柔らかくて辛めで私めは美味しく頂きました!

壁に色紙が何枚か飾られてあり、鰻の煙に燻されていい色に変色、文字さえ読めない
物もあり〜で、判読できる物は70年代ぐらいからかな。新しい物はラップがしてあっ
て変色しないようにしてある。(さぶちゃんのやなんか 笑)

下町の地域に根ざしたその町の人たちの為の名店、寅さんの車やの座敷で鰻を食べて
いると云う感じ、接客態度も良くBGMは女の子の歌うCMソング!

ゆったりとした座敷で優雅に食するのも好きだが、こういう雰囲気も良い!
ホントは誰にも教えないで、隠れ家的に通いたいお店でした!!

だから誰にもお薦めしません。
2003年7月8日 浦和 谷田川(どすこい隊員)
NAO隊長推薦の谷田川へ行って来ました。
浦和駅からちょいと離れた場所に有りますが、大きな看板と大きな作りに加えて近隣にはそれらしい店が無いために発見は容易でした。
入り口の引き戸(これはポイント高い!)も軽やかに店内に入るとゆったりとした作りで落ち着きがあります。
店員さんも全員和服に身を包んだ女性で、老舗の雰囲気を感じました。
鰻屋独特の鰻の香りを楽しみつつ、注文したのは鰻重とどじょうの唐揚げ、きも焼き、ホネ揚げでした。
ホネは通常スーパー等で見られるようなただホネを揚げただけではなく、衣が付けられて青のり等も降られています。これは上手くクセが押さえられていて美味でした。
どじょうはまぁ所謂どじょうですが、揚げたてが大葉の上に盛られていてこれも旨かった。
きも焼きは2串で800円と結構値が張りますが、1串の大きさが普通の倍位有ります。
バラして家族でつつくのに丁度良いかもしれません。
さて、肝心の鰻ですが、これも旨かった。
スーパー等では決して味わうことの出来ない、焦げの香り、そしてそれ程身が厚く無いのにトロッとした食感、タレの旨さと相まって美味しく頂きました。
意外とボリュームも有り、一家揃って満腹になりました。
この店では日によって鰻の産地が変わるようです。
入り口には本日の産地を知らせる看板が立っていて、私が行った日は静岡産でした。

雰囲気、味ともに満足の出来るお店で、安心してお客さんを連れて行けると思いました。

http://www.yadagawa.saitama.walkerplus.com/konshu.html

2003年6月某日 佐原 山田(ぱうえる隊員)
うなぎは佐原に行ってきました。うなぎが目的ではなく、昔から水郷や湿地帯や水のある風景が好きで、近くだからと唯一行ってなかったもので。みちパウエルとアヤメを見て十二橋もめぐり、そのオマケがうなぎでした。(今村昌平の「うなぎ」もココで撮影)

最近のうなぎ屋さんは老舗でもガスで焼く所が多くなってきてるけど、ここは備長炭で香ばしくてジューシーで柔らかくて・・!!!♪ 
んで、佐原ではうな重は蒲焼とご飯が別盛りできます。が、ご飯に乗せる事も可(最初に聞かれます)。これが江戸とちょっと違う所ですが、もち、佐原風を注文!さすが関東の米所で、お米の甘味を感じたとさ!!

この町で“明治創業”って店は新しくて、うなぎ屋も蕎麦屋も江戸時代の創業と作り方!!
まぁ、櫃まぶしや蒸篭蒸しの様な変わったものではありません(NAOちゃんの食べ方いいな〜)。

隣の熟年夫婦が「遅い!」って文句言ってたけど、うなぎ屋だぜ! どう少なく見積もっても捌いて串刺し5分・蒸し10分・焼き10分・盛り付け配膳5分だったらいい方だよな〜

わてらは出来るまで長丁場だとふんでたたから軽く一杯、付き出しはこれも名物のすずめ焼き!(小鮒の甘露煮だよ、すずめじゃないよ!)
座敷の雰囲気も味わいながらのんびりと会話に華を咲かせましたとさ。
ちなみに「山田」というお店でした。「長谷川」も有名。

重箱の隅をつつく
:2003年 7月10日(木)02時29分42秒補足投稿


自分のレポに自分で突っ込む事になるが・・・

うな重の重は重箱の事だよね。んで、近年と言うか長い間うな重と言うと一段の重箱の中のご飯の上に蒲焼が載っている。また、ご飯にかけられたタレも美味い! 
が、重箱の意味からすると蒲焼とご飯が別の重で二段になっているのが本来の姿と言うのを聞いた事があるし食べた事もある。また都内でもそう云う出し方をしているところもある。

佐原風と書いてしまったのは、最近二段のうな重を食べてなかったせいもある。
タレのかかったご飯は美味しいもんナ〜。

んで、佐原で二段にしてもらって食べた時に感じたのは、ご飯の甘味を感じたという事と、一緒に出されたおしんこと白いご飯が、いい箸休めにになったという事。また、蒲焼に戻った時に美味しく食べられた。まぁタレのしみたご飯も好きなのでその時の気分だな〜。

P.S 本当はうなぎ失敗談を書こうと思ったのだが後日。
   佐原ではうなぎをご飯に乗せると程よくタレがしみます。念の為。